マズローの欲求段階説は、「モチベーション理論」と言われる理論の 1 つです。
モチベーション理論は、個人を行動に駆り立てるものは何なのか、また、どのようなプロセスで駆り立てられるのかに関する理論です。経営学の分野では、企業などの 組織目的と個人目的をどのようにして結びつけるかという観点からも研究されています。
モチベーション理論が大きく発展し始めたのは 1950 年代頃からです。モチベーション理論はに大きく分けると、
- 内容理論
- 過程理論
- 内発動機付け理論
があります。これらの理論はそれぞれ別々に展開されたのではなく、相互に関連しながら発展してきました。
本記事では、内容理論のうち、マズローの欲求段階説について紹介します。
内容理論
内容理論とは、人は何によって動機付けられるのかについての理論です。代表的な内容理論には、
- マズローの欲求段階説
- アルダファーの ERG 理論
- アージリスの未成熟 = 成熟理論
- マクレガーの X 理論・Y 理論
- ハーズバーグの動機付け = 衛生理論 (二要因説)
- マクレランドの三欲求説
があります。
それでは、マズローの欲求段階説についてみていきましょう。
マズローの欲求段階説
生理的欲求
人間の生存にかかわる本能的欲求。食物、水など。
安全の欲求
安全あるいは安定した状態を求め、危険を回避したいという欲求。
所属と愛の欲求
社会的欲求ともいいます。集団や社会に所属、適合し、そこで他社との愛情や友情を充足したいという欲求。
尊重の欲求
自我の欲求、自尊欲求ともいいます。他者から尊敬されたい、あるいは自分が他者より優れていると認識されたいという欲求。
自己実現の欲求
自己の向上、あるいは事故の潜在能力を実現したいという欲求
欠乏動機と成長動機
生理的欲求、安全的欲求、所属と愛の欲求 (社会的欲求)、尊重の欲求の 4 つを、欠乏動機といいます。欠乏動機は、自分以外のものによってしか満たすことができません。
一方、自己実現の欲求は、最も工事で人間的な欲求です。自己実現の欲求は成長動機といって、満たされるほどにいっそう関心が強化されます。
欲求は不可逆的である
マズローの欲求段階説の特徴としてほかには、低次の欲求が満たされることによって上の段階の欲求が生まれるという点が挙げられます。ただし、高次の欲求が満たされないからといって低次の欲求をより満たそうとするわけではありません。つまりマズローにおいては欲求の移り変わりは不可逆的なのです。
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