貸借対照表: 純資産の部

財務会計

貸借対照表は、財政状態を明らかにするために、資産・負債・純資産が記載され、それぞれ資金の調達源泉とその運用状態が示されています。

貸借対照表は大きく分けて資産の部、負債の部、純資産の部に分かれています。この記事では、貸借対照表の純資産について説明します。

貸借対照表の純資産は、企業の資金調達のうち、主として株主から調達した資金です。純資産の部は、

  • 株主資本
  • 評価・換算差額等
  • 新株予約権

3 つに区分されます。ここでは、株主資本について説明します。

資本金と資本剰余金

資本金と資本剰余金は、株主からの出資が源泉の項目です。新株を発行して払い込みを受けた場合などが該当します。

資本金

資本金は原則として、設立または新株の発行に際して株主となる者が払込みなどまたは給付をした財産の額 (払込金額等) です。

払込金額等のうち、2 分の 1 を超えない額は、資本金として計上しないことができます。資本金とされなかった額は、資本準備金として計上しなければなりません。

資本剰余金

資本取引から生じた剰余金です。資本準備金とその他資本剰余金の 2 つに区分されます。

利益剰余金

企業がその事業活動によって稼得した利益の保留額です。利益準備金とその他利益剰余金の 2 つに区分される。

準備金と剰余金

資本剰余金と利益剰余金については、資本 (利益) 準備金とその他資本 (利益) 剰余金の 2 つに分かれています。

資本準備金・利益準備金

これらの 2 つは、必要以上に社外に流出させず、企業内部に残させるようになっていて、会社法で積立が義務付けられています。

資本準備金

資本剰余金のうち、会社法上、資本準備金として積み立てが必要とさているものです。その他資本剰余金から配当する場合、利益剰余金と合わせて資本金の額の 4 分の 1 に達していないときに計上しなければならないとされています。

その他資本剰余金・その他利益剰余金

これらは、株主への配当を行う際、この部分を財源として配当を行うと言う位置づけです。

その他資本剰余金

資本剰余金のうち、会社法の定める資本準備金以外のもの。資本金及び資本準備金の取り崩しによって生じる剰余金などです。財源として株主に配当を行うことが可能です。

その他利益剰余金

利益剰余金のうち、会社法上の利益準備金に含まれないもの。その他利益剰余金は、財源として株主に配当を行うことが可能です。

企業が独自の判断で自主的に利益の一部を積み立てる任意積立金と、繰越利益剰余金があります。

繰越利益剰余金とは、利益をストックする項目です。損益計算書で計算された利益は、貸借対照表の繰越利益剰余金に含まれていると考えて差し支えありません。

任意積立金は企業の判断によって積立金という項目を設定し、利益を企業内部に残しておくものなどをいいます。

自己株式

自社の株主を買い取ったものです。この婆い、純資産のマイナス項目という位置づけになります。貸借対照表上では、金額の前にマイナスを意味する三角をつけます。

自己株式の取得は、発行した株式を買い戻すことから、実質的に資本の払い戻しと言えます。そのため、取得価格をもって純資産の部の株主資本の末尾において、控除して表示します。

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