Management Buy Out (MBO) 入門: 企業買収の基本とその種類

企業経営理論

企業買収の一形態であり、経営陣による株式の買い取りのことである MBO。この記事では、MBO について、いくつかの M&A の形態も紹介しつつ、説明します。また合わせて、中小企業診断士の資格試験の過去問のなかから、MBO に関連する出題例を紹介します。

MBO

MBO(Management Buy-Out)は、会社の経営陣が株主より自社の株式を譲り受けたり、あるいは会社の事業部門のトップが当該事業部門の事業譲渡を受けたりすることで、文字どおりのオーナ一経営者として独立すること。

MBI

MBI (Management Buy-In)は、業績の低迷している企業を買収した投資家や投資ファンドが、買収先の企業に外部から経営者を送り込んで改善を行い、企業価値を高めて、最終的には株式売却などで利益を得ること。

EBO

EBO(Employee Buy-Out)は、会社の従業員がその会社の事業を買収したり経営権を取得したりすることである。

それではそれぞれの違いについて、中小企業診断士の資格試験の出題例 (企業経営理論 平成 29 年 第6問) を参考にし、もう少し詳しく説明します。

中小企業診断士 資格試験「企業経営理論」平成29年度第6問

オーナー社長が経営する企業の事業承継の方法としてMBO (management buy-out)がある。MBOに関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア: オーナー社長は、外部の投資ファンドに株式を売却して、役員を刷新して経営を引き継がせる。

イ: オーナー社長は、勤務経験が長いベテランで役員ではない企画部長と営業課長に株式を売却して、経営を引き継がせる。

ウ: オーナー社長は、社外の第三者に株式を売却して、役員ではない従業員に経営を引き継がせる。

エ: 財務担当役員と同僚の役員は、投資ファンドの支援を受けることなどを通じてオーナー社長から株式を買い取り、経営を引き継ぐ。

オ: 役員ではない企画部長と営業課長は、金融機関から融資を受けてオーナー社長から株式を買い取り、役員と従業員を刷新して経営を引き継ぐ。

解答・解説

ア: 不適切。MBO というより、MBI に近い内容の説明。ちなみに MBI の場合も、オーナー社長が役員を刷新して経営を引き継がせるのではなく、投資ファンドが中心となって経営者が送り込まれることになります。

イ:不適切。EBOの内容ですね。役員ではない企画部長と営業課長は社員であり、経営層ではないので、MBOには当たりません。

ウ:不適切。役員ではない従業員が事業を引き継ぐため、不適切。なお、第三者に株式を売却するので、EBO でもありません。

エ:適切。マネジメント層である役員が株式を買い取って経営を引き継ぐので、MBO。なお、資金面では、投資ファンドの支援を受けることもあるため、やはり適切ということになります。

オ:不適切である。役員ではない従業員が事業を引き継ぐため、EBO。

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